2011年 05月 30日
見えなくなるまでお見送り。
神奈川の自宅を出てから岩手で過ごした時間はあっという間でした。

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ゴールデンウイークに兄家族と父の妹、
そして今回、私たちが帰って、今まで張り詰めていた物が緩んだのか
被災後は泣くことが少なかったらしいのですが、被災の話になると必ず父は泣いていました。

認知症のばあちゃんが昔の話を繰り返し話しているのですが、ばあちゃんの話に父は
「涙が出るからもう話は終わり」と。
でもすぐに忘れてしまって何度も話すばあちゃん。
涙を拭う父さん。
…ちょっと笑えました。


ペットボトルの収集日には、私がペットボトルを出し忘れ
収集車が来てすぐに出していないことに気づいた父が袋を持って
収集車を走って追いかけたのですが、残念ながら追いつくことが出来ずにペットボトルを持ち帰り
惨めで泣けてきたとその晩、父は話していました。
そんな話を聞いて大笑いした私。

泣くだけ泣いたら元気になると思うけど…父さん、もうちょっと強くなって!!
そう思うのでした。




子供の頃から実家では
「見えなくなるまでお見送り」といって、帰る人を見送る事になっていたのですが
荷物を車に積み込んでいるあたりから父は昼寝すると言ったまま部屋から出て来ません。
荷物を積み終えトロンモンを車に乗せてもとうとう父は姿を見せず…。
私も「じゃあまたね」と声を掛けると泣いてしまいそうだったので
今回はこのままそっと出発しようと車を走らせた途端、たかつんが
「大工さんが手を振ってる」と言ったのでバックミラーを見ると
道路に出て大きく手を振ってくれている大工さんがミラーに映っていました。

実家に来てくださっていた大工さんは2人だったのですが
手を振ってくれている大工さんは無口で実直。
口は動かさずに身体を動かし仕事も丁寧。
岩手を出発する間際、私が挨拶しに行った時には
「旦那さんに気をつけて運転するようにと…」と短くても温かい言葉をいただきました。

そんな大工さんが仕事の手を止め
車が見えなくなるまで大きく大きく手を振って見送ってくれた姿を見て
2人で大泣き。(書きながらまた思い出して涙がじわり…)

最後に遠回りして流されてしまった実家跡を見て帰って来ました。
 
 
 
 
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by troncmont | 2011-05-30 00:40 | ●「I♥いわて」


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